<植物症、植物状態、遷延性意識障害に関する特別外来>
目的
御家族、知人などに所謂、植物症或いは遷延性意識障害と診断されている方々がおられましたら御来院下さい。特に更なる治療改善の可能性の有る無し等々についてお尋ねになりたいことがあれば、お出掛け下さい。
場所
担当医師
神野 哲夫
日本意識障害学会理事長
遷延性意識障害、家族の会顧問
世界脳神経外科連盟、副会長
藤田保健衛生大学、名誉会長
森田 功、山口 幸子
藤田保健衛生大学 脳神経外科
植物症、遷延性意識障害を巡る最近の話題
- 植物症とは。(定義)
「覚醒はしているが、認知していない状態が少くとも3ヶ月以上継続している。」
目は開け、パッチリしているが周囲に何が起っているのか、誰なのか等を認知していない
植物症の定義は従来より、いくつか提唱されていますが、現在では上記のように、ほぼ統一されています。
もう少し詳しく説明しますと以下の様になります。
外傷、脳卒中、酸素欠乏状態等により、意識障害となる。急性意識障害
2週間以上経過しても意識が戻らない。これを正式には遅延性意識障害と言います。
やがて目をパッチリと開ける様になります。勿論、呼吸は自力でしています。しかし。周囲の認知はできません。お母さんが側に来ても、誰だか解りません。この状態を植物状態と言います。
この状態が続き、元々の原因が脳卒中や酸素欠乏(例えばプールで溺れた)などでは、3ヶ月以上、また元々の原因が外傷である場合は6ヶ月以上続いた状態を持続的植物状態或いは植物状態と言います。 - 治療法(図1)
治療の対象は主として植物症です。
従来、植物症には特別な治療法はありませんでした。しかし、中には自然に回復する症例があります。しかし、それは全ての植物症の5%前後と報告されてきています。しかし、1987年頃より、植物症に対していくつかの治療法が開発されてきました。勿論、有効率は極めて高いと言うわけではありません。植物症と言う状態は、それ程容易な状態ではありません。
いくつかの試みとは以下の様なものです。
- 脊髄後索電気刺激
1985年、神野らにより開発されたものです。心臓のペースメーカー類似の刺激装置を皮下に埋め込み、脊髄の2番目の頚椎の中の後索を電気刺激する方法です。(図2)
私共は1985年より今日まで200例の植物症を対象にして、この治療を行ってきました。その結果、著効37例(18.5%)、有効71例(35.5%)、無効92例(46.0%)でした。著効、有効率例は外傷由来の植物症で、年令が若く、そして大事なことは脳の局所血流が、脳の100gm当り1分間に20ml以上であることです。
- 脳深 電気刺激療法
1993年、Cohadon、坪川らにより開発された方法で、脳深部の覚醒に関する核を電気刺激する方法です。
- 正中神経刺激法
1993年Cooperらにより開発されました。手の正中神経を電気刺激します。
- 迷走神経刺激法
1998年Joneらにより開発されたもので頚部で迷走神経を電気刺激する方法です。
- 脊髄後索電気刺激
- 治療の適応
以上の如く、治療法はいくつか開発されてきていますが、勿論、全例に有効と言うわけにはいきません。臨床的には同じように見える植物症でも、実はその脳の障害度はいくつかの段階があります。それらをよく検索し、検査しないと治療の適応が決定出来ません。
この辺のところは是非、専門家中の専門家に一度、御相談下さい。
私共の特別外来では、以上の様々な御相談と諸検査を行います。藤田保健衛生大学と共同で診断、治療を行っていきます。
また、日本意識障害学会(年に一度開催されます) 及び遷延性意識障害・家族の会(会長 桑山雄次) に関して御質問がありましたらお答えいたしますし、仲介いたします。
受診の道すじ
- まず藤田保健衛生大学、神野哲夫名誉教授室に電話 (0562-93-2497) 或いは手紙を下さい。
〒470-1192 愛知県豊明市沓掛町田楽ヶ簿1-98 藤田保健衛生大学 脳神経外科 神野哲夫(氏名、年令、住所、Telなどを教えて下さい)
- 藤田保健衛生大学病院で脳血流検査の予約を当方にてとります。決定後、お電話いたします。
- 脳血流検査日に藤田保健衛生大学病院 脳神経外科の外来 (担当 森田 or 山口or 神野) を受診して下さい。
- 検査後、大学病院から車で約5分かかる“ジャパン藤脳クリニック”に来て下さい。
診察カードを作ってください。(名古屋市緑区横吹町1918番1 Tel 052-875-2235)外来にて診察後、藤脳クリニックに入院してください。(入院手続きは当方で取っておきます。また大学病院ではすぐ手術をする患者さん以外入院が難しいので、このような対処をすることを御理解下さい。また患者さんの状態が毎日通院出来る状態でないことに配慮しています。)
- 藤脳クリニックにて、MRI, MRA, 及びLimbic system のテンソールイメージの検査をします。
- 入院は約1週間です。この間に全ての検査データがまとまり、御家族に説明いたします。
- その結果、もし手術療法などが適応ありと判断された場合は、後日大学病院で手術を行います。
- 患者さん御本人が来院不可の時、ご家族のみ来られる時は、それまでの検査データ、及び本人の状態を写したホームビデオ (1分間位) を持参して頂ければ幸いです。
